再び舞台はアーシュ達の地底湖へバシャン!「う うう・・えらい目にあったワンワン」ケンタウロスさん達の猛攻から逃れ湖に落ちて 湖の向こう側に泳ぎ、辿りつきましたワン!「ぴゅ!ぴゅ!」あ!お魚さんことお魚に変身中のエイルさんが何かを訴えてる。「大丈夫ですか?ワン え!何!何!」「あ!アーシュさんが 大変だワンワン!」ケンタウロス達と争い湖に落ちてしまったワン子達アーシュは気を失っている。「しっかりするワンワン!お願い!目を開けて!」泣き叫ぶワン子ピクリとも動いてくれないアーシュ「アーシュさん!」「ピューピュー!」お魚に変身中のエイル「‥‥あの馬女‥」ボソッとアーシュうっすらと瞳を開き呟く「完全に殺すつもりで 大技くりだしやがって!しかも!苦手な水竜を三匹も召喚されたら やりようがない‥」「大丈夫ですか!ワンワン」「なんとか・・なワン子 、ああ、エイルも」「お前(ワン子)も無事だな」アーシュはうっすらと微笑み「しかし・・ここは不味いな・・」「へ!」「骨の山だ」「げえええ!」「え!骨!ってワンワン!」「小さな岩か砂と思ったら 一面 骨です ワンワン」見渡すと回り一面に白く広がっているのは白い石でなく白い骨ここは洞窟の中の白い骨の野原「こ・・怖いです!」(>_「き・き・きゃああ!ワンワン」(ToT)ここは・・洞窟の中の白い骨の広がる 果てしなく広がる場所静かで闇が広がるワンワン!「怖いワン」(T_T)「さて、どうするかな?」人ごとのように呟く アーシュ「落ち着つけよ 今の所 皆 無事だ」その時だった エイルさんとオルゴールが 白く光始めた そんな中!なんと お魚に変身中のお姫様のエイルさんが光りだしましたワン!そして人の型を取るそこには再び 白く光るエイルさんが立っていた。「僕を探して 僕の身体は幾つもの塊になってしまったから今回は魚だったけど 蝶だったり小動物かもしれない ってあの白馬のレグルスが‥」「え!」「探してね」エイルが白い光る玉になってオルゴールの中へと入っていた。
窟の中の白い野原、白い骨の山を踏みしめながらワン子とアーシュさんは歩いてますワンワン!ああ〜メキって音、踏みしめ割れる白い足元の白い骨メキメキと音します(T_T)怖いです(ToT)アーシュさん平然と遠慮なく・・歩いてますす、すごい…というか、なんで平気なんでしょうワン「ん!」 「え!えっ!どうしましたワンワン」「なんだレイスか」平然と歩きながら一言のアーシュ「レイスって!」「ほら・あの白いふわふわしてる奴」「平気なんですか!」「たかが、浮遊霊の一種だな… まあ、 気にするな 、ワン子」「気にします、ワン!」「ほら、騒ぐから 近く来たぞワン子♪」「嬉しそうに言わないでくださいワン」「こ、怖いですワンワン!」(ToT)きやああ!ワンワンワン!(ToT)「レイスです…あれは『白いお化けさん』です!ワンワン」「楽しいか?ワン子♪」「い・意地悪ですかぁワン、アーシュさん!」「魔法使いの弟子のくせに 怖がりだなワン子 ふふん」白骨だらけの洞窟でレイスという生気を吸うお化けに襲われ中ですワン(>_どうしよう!!ワンああ〜どうしたら?ワンワンワン!イラスト※作者が描いたイラストhttps://estar.jp/pictures/26345040https://estar.jp/pictures/26345149
「お!来た来た♪」「だから嬉しそうに言わないでくださいワンワン!き・きゃああ!きやあ〜」「レイスが触れましたうっ、うぅ~エネルギーを吸い取られた…クラクラしますワン!」「ワン子、魔法は使えないのか?」自分に来る分に関しては炎の魔法で消し去ってしまうアーシュさん。「魔法使いの弟子だろう?ワン子?」「ま・ま・まほう、魔法ですかワン?そうだワン」「やるワン!ワン子は頑張るワンワン!」ワン子は怪しげな魔法の呪文を唱えたドカン☆すざまじい音ともに上から落ちて来たのは巨大で可愛いネコ肉球つきのネコの手のオモチャ「あれは、巨大ネコでもいれば 玉取りするかもな」悟ったかのごとく静かに呟くアーシュさん思わず泣きそうなワン子「ん!泣くなよ 別にお前が役立たず・・なんて言わないから!」「今!言ったじゃないですか!ワンワン!」「あ、騒ぐから増えた」「レイスの大群ですぅ!」「ほーら、どうだ!怖い怖いぞぉ♪ワン子」とそれはそれは嬉しそうに言うアーシュさん本当に楽しそう「うぅぇーん!ひどいワンワン!」「落ち着つけてば何か有効な魔法を唱えみろワン子」その言葉にワン子は頑張って、すごく頑張って〜怪しげな召還魔法を唱えてみた☆
白い骨だらけの洞窟でレイスという白いお化けに襲われます ワン。「あぁぁぁ〜!これも違うワン!」次々と現れる意味不明な巨大なボールに巨大なウサギなどなど。「召喚魔法は得意なのか?ワン子」「そうでもないですワンワン!」「この場合 浄化の魔法か浄化の使える使い魔でも召喚出来ないのか?ワン子」「あぅぅワンワン(涙)ところでアーシュさん手代ってくれないのは僕の勉強の為ですか?ワン」「いや!単に面倒くさいだけ」と・・正直な正直すぎるアーシュさんの一言あ、ワン子 いじけた。あ、ワン子 またレイスからダメージ!見かねて炎の魔法で レイスを消すアーシュ「こら、こら いじけるなよワン子 魔法使いの端くれなんだから がんばれ」めずらしくそれはそれは…優しく諭すアーシュ泣きそうだったワン子はアーシュの顔を見て決心した!「分かりました!やります!ワン!」ワン子の怪しげな呪文 それから「いでよ!ツボおお!」ボン!現れたのは一軒家程の大きさの巨大なツボ..「ツボ?」怪訝な顔をするアーシュ「ツボですワン」はりきって答えるワン子で‥それからツボはまるで掃除機のように‥まるで嵐のごとくすざまじい強風でレイス達を次々と吸い込んだ。ごおおお~ん!「きやあああ!」今度はワン子やアーシュも吸い込まれそうになる二人。
慌てて呪文を唱えアーシュ自身は利き手の左手で魔法の剣を創りだし、それを大地に刺し片手でその魔法の剣を握りしめ もう片方の手で吹き飛ばされそうなワン子を掴まえる!「くっ、うっ!うっっ」アーシュの口からうめき声が漏れる。そして、魔法の強風に対抗して力を込めアーシュの腕の筋肉が盛りあがる。「この、この、この馬鹿ワン子!後でしめる! 覚悟しろ!」メキ・・メキ・・メキッ!ツボが巨大で強力な掃除機のごとく 更に嵐モードになっていたのだった。その時、風の影響が少ない離れた場所で 大きな大きな骨達が ゆっくりと動きはじめていた。彼等は不気味に目を輝かせる。だが、そんな事に気がつく余裕もない、アーシュは片手で…今にも、吹き飛ばされそうなワン子を捕まえている。たく! この・このバカ・ワン子!それにしてもこのツボ!どうやって、この魔法の壺を 叩き壊すか?このままだと 吸い込まれてえ?吸い込まれて…?あれ?まさか…ワン子の魔法に俺がやられる?この俺が?この俺が?俺は…魔力が強い黒の王国の…長い世代からの魔法の血を受け継ぎたが、母は人族だから、やや劣るが戦で行方不明の純血種の異母妹を除けば最強の…そうして眉をひそめ、思わず心の中で苦笑する。イラスト 作者が描いたものhttps://estar.jp/pictures/26345026
両方の手が塞がってると呪文も限られてしまうしせめて片手だけでも使えれば!何か呪文は!何か…「ワン子 悪いが見捨てて手を離しても」と言いかけてアーシュは泣きそうな‥泣きそうな哀れを誘うワン子の表情を見て思わずその言葉も飲み込む。となると後は あの大呪文かしかし、この手の大呪文は体力の消耗が激しいし多分、この魔法を使えば、鈍いドジっ子のワン子でもわかる。俺の本当の正体が…俺の正体ばれるよな。多分ゆっくりとアーシュは魔法の言葉をつむぐ瞳は薄らっと閉じられ朱い光を放っていた。「大地の守護者たる太古よりありし者、地に眠りし大地の竜よ 我が呼びかけに答えたまえ我が名は………」アーシュの呪文の途中でバギンと!もの凄い大きな音がして嵐のような大きな風は止まった。顔を上げて、目を見開き「あ、やば」ポッリと漏れた言葉「げ!まずい!まずいですアーシュさんワン!ワン!」とワン子「ああ、そうだなワン子、囲まれた…な」と冷や汗とともにアーシュは呟くそこには穴が空きツボが壊れ転がっていた。そして…それから魔法のツボを壊した張本人 それは大きな巨大な骨の恐竜が数匹それに更にはレイスの大群も 再び群れをなして、大群が群がって来る! 最初はレイスの大群が攻めてきた!
というわけで頑張って戦っている最中ですワンワンで……ワン子は巨大ボールを召還して投げつけるがアーシュさんのほうへ投げつけてしまう「………」ササッっと無言で避けるアーシュ そして、次には遠慮なく風の魔法でワン子に投げ返す。ぎゃふん!下敷きになるワン子「まったく手間のかかるワン子だ」「何言ってですかあああ!ワン」 「アーシュさん、貴方が巨大ボールを僕にぶつけて、僕が巨大ボールの下敷きになったでしょうかがあ!ワン」「何言ってる…ワン子!お前が巨大ボールを召還して、俺にぶつけただろうが、だから、魔法で投げ返しただけだ」「ぶ、ぶつけてません! 避けたでしょう!!」なんとか 巨大なボールから抜け出すワン子「あ、レイス・・」とぽっんとつぶやくアーシュ「きあああああ!きやああああ!」 「大変 あんなに大量のレイスに生気を吸われたら身が持ちません!!」 「レイスにもてもて♪だな!ワン子」なんだか嬉しそうなアーシュ「アーシュさああああん!」涙目モードのワン子「このままほって置いてお仕置きと言いたいが・・・楽しみは後にとっておく」にやり~と本当に いやなーな感じで笑うと「炎! そして 炎の大蛇!!」アーシュさんの魔法の言葉にレイスは炎で消され大蛇を思わせる大きな細長い紐状態の炎が 次々とレイスに絡まり消し去ってゆく「ワン子! 大地にでかい穴を作れるか?」 「え?落とし穴ですかワン」 「よく理解してるな 俺まで落とすなよ」ワン子は次から次に魔法で落とし穴を作り 落とし穴に アーシュさんは飛び跳ねして誘導しては骨の恐竜をたたき落としている。あ 手をついて腰を低くして手の平を軸にくるん!と横に一回転小さめの骨の恐竜は足を引っ掛けられて、こけました! あああ、そのまま 落とし穴にドボンどうにか倒しましたワンワン!と安心してましたらカチリ・・。骨がより集まりそして 骨はより集まり それは巨大な人型の姿をとった。
巨大な手が まるで、うるさいハエか蚊でも潰そうとするかのごとく迫ってきます「危ない!」ワン子を片手でがっしりと 捕まえると アーシュはジャンプして避けるのだった「助かりましたワンワン」今度は後ろから かっかっ!と音がして、振り掛けると 骨の馬が襲ってきました!「きや!きやああ!」「ワン子!」ワン子を助けようと再び手を伸ばしたアーシュザクリ! 牛程の大きさの獣の形、骨の獣の牙がアーシュの腕を貫いた。「ぐっ・・つ」アーシュの口から低くうめくような小さな声 今度は向こう側から 骨の馬に乗った骸骨が、槍を構えアーシュさんを狙う!「アーシュさん!」 今度は 骨の巨人が僕、ワン子を捕らえたワン!「わ!わん!」アーシュさんのわき腹に槍がかする!!「アーシュさん!」「くっ!」アーシュさん 痛みをこらえつつ 魔法の剣で 骨の馬と骨の戦士を砕く。こちらを見て 魔法の剣を投げ 剣があたり わん子を握る骨の巨人の指先が砕けた!頑張って助けるはずが…しかしながら 勢いがつきばしゅ~ん!とふっ飛び、それからワン子は勢いよく空へと投げ出された「あああ、きやああああ! きやあああ〜ワン子はお星さまになってしまいました!アーシュさんん〜おたっしゃでええええ!!」
「え!エイルさん!!」 「あ!ワン子さん」黒の王宮 お城の大きな庭に立つ美しく着飾ったエイル、未来の時間にいるエイル「き‥綺麗ですワン びっくりしました!ワン」 綺麗な大きな髪飾り・・耳飾りに 複雑な形に結い上げて髪に挿し飾られた小さな真珠やダイヤが煌いているワンドレスも金の縁取りの刺繍が素敵です。胸元のベルトも大小の色とりどりの宝石がちりばめられてます 首飾りや 腕飾りも綺麗口紅もサクランボ色の綺麗な色ですワンワン「うふ、有難うワン子さん 最近はちょおとだけ・お洒落してるの」「国同士が仲良くしてもらう為の大事な外交でとても大切な大きなパーテイや茶会があってたから」「あれ!目元が赤い!少し濡れてます‥もしかして泣いてませんかワンもしや!アーシュさんが何かしたんですか?ワンワン」「ちょっと違うけど、本当はそうかも‥ね」くすっと笑うエイル「ああ!そうだワン子さん そうか!今は時間の旅の途中なんだね!!」うんうんと頷き、庭の花園にワン子の手を取り引っ張ってゆくエイル途中でお腹を抑えてちょっと吐きそうなエイル「大丈夫ですかワンワン」「うん、ごめんちょっと食あたりかな 最近、時々あるんだけど」すたすたと庭園、庭の奥へ歩いてゆく二人「あ、いた!見てこの蝶だよ これが・・僕」羽の片方が白、片方は綺麗な青色 瑠璃色の変わった蝶「皮袋のオルゴールを開けて、ワン子さん。」エイルさんの手に止まった蝶がオルゴールの音楽に反応して白く輝く宝玉に変身した蝶・・そして宝玉はオルゴールの中へ「時間の扉は その花園の中に出現してるよ僕にとって過去の出来事だから知っているんだよ 実は未来のワン子さんに聞いたの うふ」「じゃあ!僕・・ええっと私ねこれから準備があるから、名残惜しいだけど、行くね ワン子さん」「行く?って?エイルさんワン!」「僕いえ私、白の国に帰ることになったんだ」寂しげにうつむくエイル
「昔の俺 アーシュ・・!」「!!」驚き茂みから出てくる時間の旅の途中である子供の姿 アーシュ・・。「どうして、エイルを白の国へ帰そうとしているんだ?」未来の自分に問いかける素直な疑問を口に出して問う子供姿、少年のアーシュ「・・戦いがはじまるんだよ 無事に生きて戻れるか判らない」淡々と話しかける未来のアーシュ「地に伏せて血だまりの中で命を絶たれるのは 戦士の定めか」「このまだ戦いは止められないのか?」今の自分、少年のアーシュは再び問いかけるその言葉に首をすくめる未来の大人の姿のアーシュ アーシュラン「知ってるだろう・・今は新たな敵、雪深い北の巨人族たちとの戦争は止められない」「戦いの種は長い年月 数十世代も前、俺が生まれる以前から蒔かれたもの幾重にも罠のようにクモの巣のようにはりめぐっている」「わかっていても、刈り取る事が可能なら・・よかったのにな」「もし、運命を変えられるなら・・」「その時間、その時を大切に・・な 愛しい人に大切な友や仲間 笑いあえる時間を大切に それが恵み・・というものかも知れないな」「じゃあ!な」 未来のアーシュは先に行ったアルテシア姫の後を追い歩きだす。だが、思い出したように振り返り「ああ、そうだ!ワン子と捜しているエイルの身体宝珠は向こうの先の庭にある」指を指す未来のアーシュ未来の自分・・彼を見送ると アーシュは唇をかみ締めて指差した方に走り出す少年のアーシュ
「いいか エイル、エルトニア・・リアンの所に行くんだ 判ったな」優しい声でゆっくりと話しかけるアーシュ「リアん兄さまの元に・・白の国に僕の国へ帰れと?」「ねえ!迎えに ちゃんと迎えに来てくれるの?」黙ったまま・・エイルを見つめるアーシュ「今はまだわからない でも、約束するから」エイルの涙をその指先でぬぐうと顔を近づけ 口づけを交わす「アーシュ・・アーシュラン」「約束するよ」エイルに向かって 微笑むアーシュ「必ず、待ってるから・・待ってるから・・」何度も振り返り 庭の奥に消えていくエイル「王・・黒の王 火焔の王さま 私のサラマンデイア様」 声をかけるのは 長い黒髪を上に丸く結い上げた女騎士。美しいメリハリのある身体をかっちりとした銀色の鎧に包み込んだリュース公女 アルテシア姫「結局、貴方も 先々代の王同様に・・私のおばあさまのように」白の国の姫君をエルトニア姫を手放すのね」「可哀想なエイル そして・・貴方・・」悲しげにつぶやくアル、アルテシア姫「私のおばあさまはエイル同様白の国からの人質で 先々代の黒の王と恋に落ちてたけど」「でも、結局は白の国にも戻れずに、黒の貴族のリュース家に嫁いで・・」「エイルの母、エリンシア姫…優しくて綺麗で、早く母を亡くし、父は姫を娶るつもりで…」「でも、エリンシア姫は非業の死を」「……私にとってエイルは妹のような存在、母親の分まで幸せになって良かったのに」「私は悲しいわ」「アル、アルテイシア リュース家の姫君」「行きましょうか・・私の黒の王さま リュース家は貴方達、王家の剣、盾でもある」「騎士として、今も昔も王家ともにあるわ」「ああ」うなずく アーシュランだが、彼は ハッ!と気が付いて・・「すまないアルテシア 俺のリュース準将軍殿・・少し先で待っててくれないか?」頷き それからアルテシア姫が先にいった事を確認して未来のアーシュは茂みに向かって声をかける。「そこにいるのは、知ってる何せ、俺にとっては過去の出来事だからな」苦笑 くす・・と笑う。
「あれ!アーシュさん? また、はぐれたみたいですアーシュさんはいずこ??」一人きりにり、はぐれたワン子が呟く。一方、アーシュの方は……。「俺は戻って来たのか? ここは、黒の国の王宮 俺の城だ…間違いない!」そうして庭園の中の茂みに迷いこんでいるアーシュだったが…。庭園、此処は花の香りが漂う、綺麗な緑に噴水庭園の白いレンガの道が見えてそこに踏み出そうとした その時だった。「いや!アーシュ」 若い少女の声がしたのだった。「なんで、そんな事を言うの?僕は白の国へは戻らない!アーシュの傍に居るよ 僕は絶対、アーシュの傍に居るから」庭園 その庭の片隅のテラスエイルのお気に入りの場所に二人の人物が抱き合って立っていた一人は綺麗な髪飾りで髪を結い上げ、美しいドレスを纏った金色の髪の女性それにもう一人は・・鎧を身につけた二十歳前後の男性男性は肩ほどにのびた黒い髪を金の留め物で一つにたばねて鎧をまとっている。そして、彼は泣いてる女性美しい金色の髪をした女性を抱きしめているのだ。あれはエイル・・?俺のエルトニア、俺のエイルか? それに抱きしめてるのは俺…俺なのか…二十歳前後の男性 未来の俺なのか? という事は…?という事は此処は…?未来の時間なのか?それは間違いなく、おそらくは7,8年前後の近い未来 数年後の未来のアーシュだった。
次の日の朝・・まだ少し顔色が悪いアーシュさん「大丈夫ですか?ワン」レグルスの言葉に頷くアーシュ 深々とフードをかぶり‥迎えに来たレグルスさんと一緒に支払いを済ませ 早々に宿を出発する。街を抜け人目がなくなると「いいから無理せず私の背に乗れ‥アーシュ」レグルスさんの言葉に再び、頷き その背に乗る。「森の奥、こっちだ」ぱしゃん! 小さな魚が跳ねる。森の奥にある小さな泉・・泉の水は不思議な色をしてたワン 虹のように様々な色で煌き近くに行き すぐ傍の顔を近づけると‥銀色に輝く鏡のようでしたワン「私が触れても鏡のように硬くて手を触れる事も出来ないだが」泉にふれるレグルスさん「ケンタウロス族に伝わる伝承では・・ケンタウロスの賢者に神に時間の旅を許された者」「許された時間の間だけ、この泉の中の扉に入れるそうだ何故、お前達が時間の旅をしているか‥不思議だがな」皮袋のオルゴールが発光して 優しい旋律が鳴り響く泉は反応して 青い光を放つ「どうやら扉が開いたらしい 行け二人とも!」ワン子は皮袋を握りしめアーシュはうなずくとワン子の手を取り泉の中に足を踏み入れ 二人は青い、青い光に包まれましたワン☆気がつくと、ここは黒の国のお城でしたワン!・・・・・!おや!ここは見覚えありますワンワン☆少し前にワン子はここに薬を届けた事がありますワンここは・・アーシュさんやエイルさん(現在 17歳のエイルさん が住む黒の国のお城です!ワンワン☆)
アーシュさんはゆっくりと顔をレグルスさんに向けて、暗黒大魔王のような、ものすごい表情で睨み付けてますワン「こら!馬女!小さなエイルが起きるだろうが!その口を縫いつけられたくなかったら 少し黙れ、馬女!」 「なんだとお!また水竜を召還して地の底深く沈めてやろうか!ガキ!」「ここで…?湖でない…召還に必要な大量の水がない!此処でやれるもんなら、やってみな!デカ馬女」そこにワン子が慌てて言う「駄目です!ワンワン 宿屋で騒がない! アーシュさんは今は姿を隠さないとまずいでしょ!」 「それに今 一緒に仲良く(?)いるところを見られたら、レグルスさんもまずいじゃないですか?」「エイルさんを城から連れ出したのはレグルスさんだし…だしワン」ワン子のダメ押しに 思わず口をつむぐ ご一同様「まさか、わん子に諭されるとは!」「ああ」冷や汗の二人「ふうぅ…」ため息をついて、アーシュさんは一言「ワン子は手伝え、レグルス、数十年前の約束を今、すぐにはたしてやるよ」「どうする気だ?」「何かうまい理由をつけて店の奥の厨房を借りる」 「材料も調達してと‥…まあ、アカアカとかの材料はないが何か美味いもん作ってやる」アーシュさんは残り物で それは美味い料理を沢山沢山、料理を作りましたワンワン。白身魚のカレー風味 野菜のポタージュ ジャガイモの冷たいスープ。魚の入ったリゾットに 鳥肉のグラタン ぴり辛のタラモサラダグレープフルーツにオレンジ 林檎などの果実を細かく刻んだものソースにあえたサラダトマトと挽肉のソースのパスタスコッチエッグというゆで卵に挽肉を包んで油で揚げたものジャガイモを使ったシェパードパイ東洋風の挽肉の饅頭に こちらも東洋風の料理で鶏肉を丸ごと使う料理で 肉の中にもち米や栗 赤いクコの実をつめてコトコト 薄めの味のスープで煮込んだ料理なんでも、サムゲタンというそうですワン甘く煮込んだ果実入りのクレープ チョコムース。 ミントとレモンと蜂蜜入りのゼリ店にあった 紅い果実のお酒を部屋に運びこむ「う…うまい!うまいぞ!!はあ、あいつらにも食べさせてやりたかった」あまりの美味しさに涙目モードのレグルス料理の素晴らしさに店の主人は関心しまして そこで、口止めをかねて(なにせ アーシュさんはその黒髪などの特徴から、すぐ隣国の
バタバタと階段を駆け上がる音がする!隠れる暇もなく 勢いよく扉が開く「ワン子さん!拷問うけたって!聞いたけど大丈夫なの!無事!」と小さなエイルポカポカと……はあ、ため息をつきながら、後を追いかけて 一緒に入って来るケンタウロスのレグルス「まったく、しまったもんだついつい 差し出された美味い菓子と美酒にワン子の居所を口を滑らせてしまった‥はああ」…ため息をつくレグルス「おや? 逃げもしないでこんな所で何をしている?黒のアーシュラン殿」怪訝な顔をしてレグルスは言う目を丸くして!口も聞けない小さなエイルさん「えええっつと・・どうしたもんかな?」とアーシュそれで…エイルさんは泣きながらアーシュさんに抱きついたままである。「その、もう泣くな、エイル」 「行かないで・・行かないで・・」と泣くエイルさん(子供のエイルさん)「ほら、あんまり泣くと目玉がウサギみたいになってしまうぞエイル」ああアーシュさん 相手がエイルさんだと めちゃ優しい優しい「アーシュなんか変? アーシュがそんなに優しく笑った顔、見たのは初めて」「いつも不無表情で、どこか不機嫌な顔をして少し背が高いそれにそんな表情豊か…だった?」不思議そうに見つめるエイル「ええ‥っつと」ハッ!として大きく目を見開き思わず瞳をそらして天井を見てしまうアーシュあああ、焦ってます‥ワン。ぴくん!として眉をあげるレグルスアーシュさん おもむろに口を開き「いいから、もう心配しなくていいから」エイルさんを抱きしめる そして 小さく眠りの呪文「あ、また、じゅ・・呪文・・・ひどいや、アーシュ・・」ことり‥と眠ってしまうエイルさん。ひょいと抱きかかえて寝床に連れてゆき そおっとベットに乗せて、毛布をかける。ふと眠りに落ちる前に言ったエイルの言葉また、呪文?また?つまり もう一人の俺も・・十年前の俺も・・同じ手を使ったのか? ちょっと冷や汗をかくアーシュ「おい!お前は!」 びし!とアーシュさんを指を差す!ケンタウロスのレグルス「十数年前、私の大切なアカアカを横取りして 約束した絶品お魚料理を作らなったアーシュだな!」昼間の・・そして、先程までの アーシュ殿とか憐憫やら同情に満ちた優しい扱いそれに先程までの優しい言葉は、一体どこにワン?数十年もたつというのに・・そ
ワン子は 可愛いフェアリー亭という酒場に入りましたワン! 二階に上がろうと階段に上がってゆくと「!」「ワン子か?」 フードを被った少年が声をかける。「アーシュさん! アーシュさんだああ!ワンワン!ねえ、大丈夫ですか? 味方の黒の国の兵士さん達とは会えましたか?ワンワン!」「何を言ってる?さっきの骨の野原で頭でも打ったのか?ワン子?」「え? じやあ! アーシュさんは・・今のアーシュさんなんですね☆ ワン」?? 顔をしかめるアーシュさん「すれ違った 俺にそっくりな過去の俺か?」その後、宿の部屋でくつろぎながら ハーブのお茶を飲んでますワン。「ふーん そうなのか?ワン子」「はいですワンワン」確かによくよく見てみると・・少しだけ今のアーシュさんの方が大きい。過去のアーシュさんは12歳前後、今のアーシュさんは13、14歳ぐらいそれにどこか張り詰めて無表情だった10年前のアーシュさんと比べて表情が豊かです‥ワンワン。つまり、明日にでも人身御供‥処刑されそう‥という状況なら あんな風になるのは、当たり前だよね・・ワン結構ハードな子供時代だったアーシュさんでも本人 薬のせいで記憶喪失になって覚えてない!て言ってましたけ・・ワン。「と・・なると 間違えられて捕まって、処刑されたら、大変だな!ここの世界のエイルは無事に会えたそうで、宝珠も確保したし」「早めに逃げ出さないと やばいかな」アーシュ
過去の時間の中、過去のアーシュ、自分が城から逃げ…逃亡しているのを木の上で見ていた未来、今のアーシュそして、ワン子の方は……?◆ ◆ ◆ワン子さんはレグルスさんにこってりと絞られ(どうやら、昔の数十年前の魚料理を食べ損ねた恨みらしいワン(汗))牢屋に入れられたワン ああ,涙 ワン暗い牢屋の中で シクシクと泣いていたら……あ,あれ!小鳥さんの姿のエイルさんがやって来ましたワン。小鳥さんがゆっくりと淡い白い光を放ち 人型を取る「え、エイルさん!ワン」そこには透ける身体の精神体の17歳の姿の綺麗な少女のエルトニアことエイルが立っていた。「有難うワン子さん」嬉しそうなエイル 「でも、ごめんね、牢屋に入れられてしまったね」表情を曇らせる。「だ、大丈夫ですワン!きっと、きっと!なんとかなりますワン☆」明るく宣言する!ワン子(でも、多分・確証はない☆)顔をかたむけ、静かに優しく微笑むエイルさん白い光は大きくなって、小鳥さんは白い宝玉に変身、変化した。いつの間にか、エイルさんの部屋に置き忘れてたはずなのに皮袋がポンとワン子の横に皮袋から 宙を浮かんで出てきたオルゴールは音楽を奏でながら,ゆっくりと開き、前の魚から変化した時と同じように白い宝玉は呼ばれるように、ふわり・・と浮かんでオルゴールの中に納まった。わん子はオルゴールを皮袋にしまうワン。そして、次には…?カチリ!扉を開ける音!「ワン子出るんだ!」とレグルスが慌てているように言う。「少しまずい事になった、思ったより状況が良くなくてな…ワン子 お前が黒の国の間者スパイと思われてる」「え!ワン!」 「お前、リアン殿を眠りの粉で眠らせただろう?」「えええっと!」 (心の中で バレちゃいましたワン☆)「後からエルトニア姫が きっと自分の指示でワン子に頼んだと言うとは思う そうしたら、絞られる程度で済むのだが」「それが間に合わないと…ワン子、お前は、まじで、本当にそれは、ひどく酷い拷問を受けるぞ!ワン子」という訳で‥「こっちだ ワン子 いいか、此処から逃げろ」レグルスさんに連れられてワン子は塀の小さな穴から逃出ですワン!「ワン子は街はわかるか?あちらの丘に灯があるだろう 街にフェアリー亭という あの店、フェアリー亭はそれは美味しい酒と食事の宿兼食事処の店があって